大学生の食育レポート

[アドバイザー]
東京農業大学 応用生物科学部
栄養科学科 保健栄養学研究室
日田 安寿美

Vol.33 教育実習を通して学んだ「食育」の大切さ

東京農業大学栄養科学科管理栄養士専攻4年 加藤彩乃

 私は5日間、群馬にある母校の中学校へ栄養教諭の教育実習に行ってきました。
 実習では、家庭科の食の分野である「食品に含まれる栄養素を知ろう」という単元について中学1年生に指導させて頂きました。 内容としては、5大栄養素、食品成分表の使い方、栄養素と食品群の関係性、微量栄養素の重要性について教え、授業を通してバランスの良い食事について理解を深めてもらうことを目的としました。
 実際に授業をしてみると、予想以上に授業を興味深く聞いてくれて、授業後には質問をしてくれる生徒も何名かいました。 また、授業の感想を書いてもらったところ、“これからはバランス良く栄養をとろうと思います。”“食べ物の一つ一つに色々な特徴や役割があることが分かりました。” という感想が多く、食育の授業の大切さを痛感し、丁寧にしっかり伝えると、中学生にもしっかり伝わるのだと実感しました。 感想の中で“お母さんは食材の栄養を考えてメニューをつくっているのだと思った。”というものがあり、授業というのは生徒に“気づき”を与えることができるものであり、それがとても重要なことなのだと思いました。 “気づき”を与えることが重要なのは、学校の授業だけではなく、対象となる人が誰であれ、栄養指導にも活かせることだと思います。 対象者が、気づき・考え・行動できるように、支えてあげることが、食育においてとても重要なことだと学びました。
 給食の時間は、2年生の教室を回って5分間の栄養指導をさせて頂きました。 2年生は、部活を本格的にやりはじめ、しっかりとした身体をつくりたいと考えているようで、とても興味を持って話を聞いてくれました。 中学生くらいから、自分で外食を利用しはじめる人が多く、自分の身体に興味を持ち始める時期であり、ある程度の理解力もあるからこそ、中学生に食育をするのは効果的だと感じました。
 栄養教諭の授業や実習から、食育が家庭では必ずしもできていないと痛感しました。 だからこそ、学校でもしっかりと食育を行い、食についての正しい知識を教えて、食事の管理を自分でできる子ども達を育てることが、とても重要だと思います。 また、食習慣は子どもの頃に身につくため、学校現場での食育をするのと同時に、親御さんたちへも食に関する情報を伝えていくとより効率的なのではないかと思いました。
 今回の実習を通して食育の大切さを改めて実感しました。管理栄養士として働く際にこの経験を活かして食の大切さを多くの人に伝えていきたいと思います。

授業 このような教材を作成して、授業をおこないました。
この他に、食パンや牛乳など、本物の食材も教材として利用しました。

 

蒸しパン これは、実習初日に担当の3年1組の道徳の時間で作った蒸しパンです。
家庭科の授業をする前に、一限分任せてもらえたので、とてもその後の役に立ちました。
蒸しパンを生徒と一緒に作ったことで生徒たちと話す機会も多くなり、食べ物は人との繋がりを深めることを改めて実感しました。

 

3年1組 担当した、3年1組の生徒たち。

 

黒板装飾 色紙のサプライズ 実習最終日の帰りのホームルームで、黒板装飾、色紙のサプライズをしてくれました。
1週間という短い実習だったにも関わらず、このようなサプライズをしてもらいとても嬉しかったです。生徒たちと仲良くなり始めたところでお別れだったので、とても名残惜しかったです。
黒板の上に書いてある“ガッツポーズが似合うクラス”という学級目標は、生徒たちと一緒に考えて、放課後に作成しました。