管理栄養士の宮屋敷忠信先生が旬の材料を使った料理と季節のお話を毎月紹介しています。
世間では田植えが始まり、季節も春から夏へと移り変わろうかという時期ですね。
私たち日本人にとって四季があるのは当たり前のことですが、最近は季節に関係なく様々な農作物が手に入り、便利な面もありますが季節を感じることが少なくなっている気がします。そこで今回は、日本料理のお吸い物について簡単にまとめてみました。
「春」・・青柳、赤貝、栄螺、真鯛、三つ葉、筍、菜の花・・など
「夏」・・鮎並、穴子、車海老、鱧、茄子、胡瓜、紫蘇・・など
「秋」・・伊勢海老、鮭、秋刀魚、銀杏、里芋、松茸・・など
「冬」・・甘鯛、牡蠣、河豚、公魚、蕪、慈姑、白菜・・など。
もちろん他にも食材は多数あります。お吸い物で季節感を表すことは日本料理の定式の一つで、その時々の季節を伝え、繊細な香りを楽しむ料理で以下のように構成されます。
「吸い地」・・出汁をベースに作った汁です。
「椀種」・・たんぱく質素材で、魚介、肉、豆の加工品など椀の主役。
「椀妻」・・椀種に添える植物性の素材で脇役
「吸い口」・・香りや風味で引き立てる素材。柚子や三つ葉など。
「青味」・・料理を彩るための緑色の野菜類の呼び名。
これらの要素をバランスよく取り入れて作ります。