わたしたちのはじめての食育
〜食べ方・食べ合わせから考える食育〜

東京農業大学 応用生物科学部 栄養科学科3年  小清水  孝彦


アドバイザー:東京農業大学 応用生物科学部 栄養科学科 保健栄養学研究室 日田 安寿美


私たちは東京農業大学第119回収穫祭の文化学術展で「食べ方、食べ合わせから考える食育」をテーマに様々な企画を立案し、実施しました。自分たちが考えた事、伝えたいことを人が見える形にしていくことは初めての経験でした。まだ2年生だったことで知識が足りず、どうすればいいのか分からなくなる時もありましたが、仲間と力や知識を合わせ自分たちの納得できる展示をすることが出来ました。収穫祭当日は1日に700人以上の来場者に来ていただくことができ、学長賞入選などとても幸せな評価をいただきました。


展示内容

企画当初、みんなのやりたいことが多すぎてバラバラになってしまいそうだったので、展示の形を「学校の授業」のようにして、統一感を出すようにしました。


1時間目  国語  苦手な食べ物について知ろう

1時間め国語の画像

クラスのみんなに小さいころ嫌いだった食べものを聞いてみると「しいたけ」「ピーマン」「たまねぎ」「レバー」が多く挙がりました。そこでこれらの食べ物についてよく知ってもらうために、栄養的特性や食べ合わせると良い食材や注意点を本の形にしたパネルで紹介しました。


2時間目  家庭科  調理実習

レバーの画像家庭科の画像

低カロリーのマヨネーズや当時人気だった食べるラー油の作り方を自分達で調理・撮影した映像とともに紹介しました。このBGMにはキューピー3分クッキングの音楽をキューピーさんから貸してもらい使わせてもらいました。


休み時間  カロリー計算ゲーム

食育カードゲームの画像

テーブルの上に様々な料理カードを並べ、合計700kcalを目指して1食分のメニューを選んでもらうゲームをやりました。このゲームの成績によって4時間目で体験できる実験内容が変わります。さて、皆さんは1食700kcalってどれくらいかわかりますか?


3時間目  算数  不思議でおもしろい足し算

足し算の画像組み合わせの画像

人が感じる味覚の不思議につい足し算の形で展示しました。「キュウリとはちみつで何の味になる?」(答え・・・メロン味)。また、「とんかつと一緒に食べるといい食品は?」などをクイズ形式で展示しました。パネルをひっくり返すと、答えとその理由がわかります。


4時間目  理科  味の変わる味覚実験

会場の画像会場の画像

食品の味覚修飾効果を来場者に体験してもらいました。「ギムネマの成分を抽出したお茶を飲んだ後は甘味を感じにくくなるという体験」と「ミラクルフルーツですっぱいものを甘く感じさせる効果の体験」の2つを用意しておきました。ミラクルフルーツは高価なためゲームの成績が良かった人だけ体験できるようにしました。


HR(ホームルーム)  配布物とアンケート

会場の画像会場の画像

簡単に作れるレシピを配布しました。またアンケートでご飯に合うおかずを来場者の皆さんにお椀の形をした紙に書いてもらい、壁に貼っていくようにしたり、桜の花びらの形をした紙にこの展示を見て思ったことを書いていってもらい、桜の木の形をした紙に貼っていってもらいました。


来場者の反応

一番人を引き付けたのは味覚実験のブースでした。この実験は来場者も参加できるものだったので、とても受けが良かったです。またゲームの結果によって実験できる内容が変わるようにしたのが良かったのか、皆さん熱心にカロリー当てゲームに挑戦してくれました。ここではみんな楽しく料理のエネルギー量の感覚を身につけてもらえたのではないかと思います。算数の食べ合わせのコーナーでは学生の受けがよく、友達とワイワイしながらクイズの答えを考えていました。ただ、展示だけのもの(文字だけの展示)にはあまり人が集まっていませんでした。私たちにまだ紙に文章を簡潔に書く力が足りず、口頭で説明を付け加えなければならない部分がいくつかあり、少々分かりにくかったのかもしれません。文章だけでなく絵などを加えてもっと分かりやすくすればよかったと思いました。


今回の反省・改善点

今回私は初めて展示という方法で自分の考えを他人に示すということにチャレンジしました。正直に言ってしまえば準備の段階から直していかなければならないところがあり、改善点は山のようにあります。ゲームに関してはもっとロールプレイングをしておくべきだとか、展示に関しては来場者に聞かれそうな質問に対応できるようなマニュアルをつくっておくべきだったなど、探せば探すほど出てきます。人にものを伝えるのはこんなにも難しいものなのかと思いました。ただ、私にはもう一度文化学術展に出展チャンスがあります。実際、どのようにしたら分かりやすく伝えることが出来るのかは今回の文化学術展で少しですが分かってきた部分があります。「立体的な展示がよかった。」「見学する道順があり、見やすかった。」最後に来場者の皆さんに書いてもらった感想に展示方法に関するものがありとても参考になりました。来年の文化学術展では今回身に付けたスキルを十二分に発揮し、よりよいものをつくっていきたいと思います。


最後に

今回の文展を無事に完成させることが出来たのは同級生の仲間や、頼りになる先輩方、何度もお世話してくれた先生方のおかげです。本当にありがとうございました。