栄養教諭実習を通して感じたこと

東京農業大学 応用生物科学部 栄養科学科  三味 栄太郎


アドバイザー:東京農業大学 応用生物科学部 栄養科学科 保健栄養学研究室 日田 安寿美


私は、故郷・石川県のある小学校へ、栄養教諭実習に行ってきました。私が担当となった1年4組は、明るく元気な子がたくさんいるクラスでした。好き嫌いもほとんどなく、給食の喫食率がよく、残飯がほとんどないクラスでした。


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また、実習期間中は、自分が担当する学年だけでなく、4年生と5年生への15分間のミニ指導の時間をいただくことができました。4年生のミニ指導では、食べ物の赤・黄・緑をテーマとして、その日の給食に展開する内容を行いました。最初の指導では、緊張してしまい、黒板や料理カードをうまく活用することができなかったのですが、給食の時間では、「先生、これは黄色だよね」、「給食はバランスがいいね」など子供たちの声を聞くことができて、指導を生かすことができたと実感することができました。5年生のミニ指導では、4年生授業での反省点を生かし、ワークシートを活用する工夫をしたところ、授業の内容を理解できた子が多くとても嬉しく思いました。また、ワークシートを通じて子供たちの食についての生の声を知ることができ、食育に対する意欲がさらに向上しました。


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実習期間の最終日は、自分の担当するクラス(1年生)の栄養指導を行ったのですが、題材を決めるのがとても大変でした。実習へ赴く前にいくつか指導案や教材を作っていったのですが、1年生にはどれも難しく、最初から考え直すことになりました。子供たちと接していく中で、どのような題材がこの子たちにもっとよいものかを考えていきました。このクラスは残食が少なく、おかわりもするのですが、おかわりをする際にどちらかといえば野菜を敬遠することから、題材は「野菜をしっかり食べよう」にしました。導入では、野菜の花や葉の写真も見せる野菜クイズを行いました。子どもたちの反応は、みんなとてもよく、野菜について興味を持ってもらうことができました。展開部分では、野菜の働きについて伝えるために消化管のパネルを作って、食べものがお腹の中を通る様子や野菜が便の通りをよくしてくれる話、かぜを予防してくれる話をしました。子どもたちはこのパネルにとても興味を持ってくれて、「野菜を食べるとうんちがでるんだ」と野菜を食べることの大切さを知ってもらうことができました。授業後の給食では、「先生、野菜食べたよ」や「嫌いだけど、食べたよ」などの声を聞くことができ、感動しました。


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一週間の実習期間中、指導をする機会は数回だったのですが、とても貴重な経験をすることができました。4年生、5年生の給食指導では、偏食をしている子が多く、嫌いなものは盛り付けしない子、全体的に量が少ない子など様々でした。しかし、食材一つ一つの働きや給食の大切さを話すと食べてくれる子もいました。給食の時間は短く、担任の先生が毎時指導するのは、難しいと思います。子どもたちとの信頼関係を築き、食の専門家として指導すれば、食についての意識が変わるのではないかと思います。私は「食」に関する知識を伝え、「食」に対する興味を育むことが子どもたちに必要なことでないかと思います。子どもたちの食の現状を知ることができ、成長を間近にみることができた1週間でした。