出汁(だし)の味、わかりますか?

東京農業大学 応用生物科学部 栄養科学科  山中  朋実


アドバイザー:東京農業大学 応用生物科学部 栄養科学科 保健栄養学研究室 日田 安寿美


私は今回、NPO法人健康フォーラムけやき21主催の「クッキングカーによる出前型食育講座」にお手伝いで参加しました。そこでは、だし汁の原材料をあてるクイズをやっていました。和食の出汁(だし)にはいろいろなものがあります。今回はこんぶ、かつお節、四種のきのこの3種類をつくって一般の方々に味見してもらいました。


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普段私達は、お味噌汁や煮物、和え物など多くの食べ物にだしを使っていますが、だしそのものを味わう機会はほとんどありませんので、自分自身、わかるか不安でした。実際にチャレンジしてみましたが、それぞれ香りに特徴があり、無事に全て正解することができました。改めて、だしの奥深さに興味を持ちました。
けやき広場に集まった参加者の年齢層は子供から高齢者まで幅広く、女性が多い印象でした。また、幼稚園や小学校に通うお子さんもだしの味当てクイズに参加していました。慣れない味に顔をしかめている子が多かったものの、全て言い当てる子もいて思わず感心してしまいました。ご家庭で、どのようなものが提供され、どのようなものを食べているかで差が出ているのだと思います。しかし、多くの子が顔をしかめながらも3つのだし全てを飲んで、解答してくれました。和食の大切な要素である「だし」そのものの味を体験したことは、とても良い経験になるのではないかなと思いました。


会場では、世田谷区のクッキングカーを使用した実践調理を同時に開催していました。旬の野菜を使う大切さや保存方法を話しながら、炊き合わせた野菜にポン酢ジュレやバーニャカウダソースを添えるというような料理を紹介し、だしの旨味を生かしながら、いつもとちょっと違う料理を提供していました。また、材料の野菜は世田谷で作られた野菜を使用し、地産地消についての話も同時にしていました。実践の中での話なので、多くの方が熱心に耳を傾けて聞いていました。


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だし当てクイズの正答率は以下のようになりました。


きのこ 93.1%
鰹節 87.7%
こんぶ 83.3%

こんぶと鰹節を逆にしている方が多いような印象を受けました。きのこ類は、普段食べる機会も多いので、味や匂いで識別がしやすかったのではないかと思います。また、今回は全体の結果を集計しましたが、回収方法を工夫して性別や年代別に集計しても興味深い結果が出るのではないかと思いました。


今回の食育活動に参加して、実際にどのように伝えるとわかりやすいのか,参加者は何を気にしているのか,などを知ることができました。また、多くの方と接し、様々なお話を聞くうちに、学んだことを「自分がどう活かしていくか」が大切だということに気付きました。学校で学んだことを自分のものにするために、今後もこのような活動に積極的に参加していきたいと思います。