令和6年度事業計画
はじめに
令和5年度後半には政治資金規正法に関係する政治の混乱や年初めの能登半島地震を筆頭とする航空機事故、日本の産業を牽引する自動車関連のデータ不正問題など令和6年の十大ニュースにランクアップしかねない様々なことが起り、金融正常化に向けた取り組みや株価上昇機運は継続しているようですが、選挙イヤーと称される令和6年度の先行きに一抹の不安を抱えざるを得ない状況があります。
当協会は令和2年度から3年間にわたり新型コロナウイルス感染拡大防止に注力し、安心・安全な給食を安定して提供する観点から事業の中心を新型コロナウイルス関連にシフトするとともに多くの事業を中止いたしましたが、令和5年度はこれまで半世紀以上にわたり積み重ねてきた実績とコロナ禍にも関わらず協会活動を支えて下さった会員の強い支持を礎に、東京都食育フェアへの参加、こども料理教室を再開する等、公益活動を再開して食育推進と都民の健康づくりに貢献することが出来ました。
令和6年度は、新型コロナウイルス下で抑制していた全ての事業再開を視野に事業計画を策定し、全事業の実施に取り組むとともに健康増進法で「国民の健康の増進の総合的な推進を図るため、相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならない」(健康増進法第5条:関係者の協力)と私たち給食提供事業者に関係者との連携を求めていることから、調理師や栄養士を養成する学校や関係機関及び関係団体との連携・協力をより深めてまいります。
また、令和8年度に当協会は創立60周年を迎えます。このため創立60周年記念事業等を検討する「創立60周年記念事業検討委員会」を設置いたします。
全てのことがグローバル化した現在、世界各地の動向が日本の社会状況や経済活動に日々刻々と変化を与える時代になっています。このような時代にあっても当協会は、公益事業をはじめとする全ての事業活動を通し活力ある社会の実現に寄与するとともに当協会の会員であることが会員一人ひとりの誇りとなり、給食提供環境の向上に役立つよう事業を展開してまいります。
事業実施基本方針
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- 定款の事業体系に基づき着実に事業を実施する。
- 安全・安心・信頼できる給食提供環境を醸成する。
- 学校、関係機関及び他団体等との連携・協力を推進する。
事業実施体系
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- 保健衛生に関する普及・啓発及び推進事業
- (定款第4条第1項三号)
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- 給食事業従事者人材育成事業
- (定款第4条第1項四号)
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- 災害時支援体制の推進事業
- (定款第4条第1項五号)
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- 食育に関する普及・啓発及び推進事業
- (定款第4条第1項二号)
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- 都民の健康づくりに関する普及・啓発及び推進事業
- (定款第4条第1項一号)
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- 優良社員表彰等事業
- (定款第4条第1項六号)
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- 給食業務の安全な受託に係る業務代行保証等事業
- (定款第4条第1項七号)
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- より良い給食環境の醸成と組織整備事業
- (定款第4条第1項八号)
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事業実施計画
1.保健衛生に関する普及・啓発及び推進事業(定款第4条第1項三号)
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給食は法律でその設置目的が明確に位置づけられている保育園、学校、病院、福祉施設などの乳幼児、園児、児童、生徒、患者、高齢者などのハイリスクグループも対象として食事の提供を行っています。これらの人々は、他の食事を選択することが出来ないこともあり、衛生管理の徹底や適切な食品の取扱いが求められています。このため、保健衛生に関する事業を実施します。
- 「食中毒予防講習会」の開催
- 不適切な食品の取扱いに起因する事故の初期対応講習会の開催
- ノロウイルス ・インフルエンザ予防衛生講習会の開催
- 保健衛生に関する情報の提供
行政現場において日々、食品監視、衛生監視(食中毒発生事案)、予防指導にあたっている担当者を講師に迎え、保健衛生に関する法改正や課題、動向とともに直近に発生した具体的な事象に基づく事案などの最新情報を提供します。
6月に30名規模で、参加者は都内在住、在勤の集団給食調理関係者を公募します。給食は食品衛生上の危害発生の未然防止を図り、また万一給食による健康被害が発生した場合、喫食者の安全を守るため迅速かつ的確な拡大防止策をとることが必要です。このため、指導的立場にある行政担当者を講師に迎え、食品衛生上の危害発生の具体的な事例紹介とゲーム、グループ討議及び実地体験等により、万全な予防措置と的確な初期対応について習得します。
10月に30名規模で、参加者は都内在住、在勤の集団給食調理関係者を公募します。未然にノロウイルスやインフルエンザの感染を防止するため、検査機関の担当者を講師に迎え、衛生、調理、施設・設備の不適正事例を確認、その改善方法などを習得し、衛生管理マニュアル等の改善などに活用します。
11月に30名規模で、参加者は都内在住、在勤の集団給食調理関係者を公募します。都民にも分かりやすい形で「衛生に関する一口メモ」と題したノロウイルス等の食中毒や衛生に関する情報提供と誰もが適宜・的確に衛生に関する最新情報を入手できるように「食品の安全及び安心に関するサイト」を紹介します。
また、手洗い、うがいの励行を呼びかける感染症予防ポスターを作成、配布するとともに多くの特定給食施設に掲示できるよう無償で図案を提供し、関係者に増刷の機会を提供します。 2.給食事業従事者人材育成事業(定款第4条第1項四号)
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喫食者の健康状態や摂食状況に合わせた給食を提供するには、給食調理従事者が衛生管理だけでなく、栄養バランスに熟知し、調理技術に長け、喫食者個々人の喫食意欲を促す技量と創造力、発想力、献立作成能力を持つことが必要です。このため、これらの習得を目指す講習会を実施します。
また、給食調理スタッフ業務は単なる労務提供に止まらず、人々の健康を支えることを通じて社会貢献の一翼を担う真に意義ある労働です。このため、55歳以上の方のための給食調理施設への就職支援を目的に「調理業務アシスタント」講習を(公財)東京しごと財団と協働で開催するとともに調理師の資質向上を目的に行われる調理師業務従事者届の受理業務のうち、東京都内の特定給食施設において調理業務に従事している調理師から届出(隔年)を受理します。- 給食事業従事者講習会の開催
- 調理実習の開催
- 優良施設見学会の開催
- 55歳以上の方のための就職支援講習「調理業務アシスタント」コースの開催 (公財)東京しごと財団と協働事業
- 調理師業務従事者届の受理(隔年実施:令和6年度実施予定)
給食を取巻く環境の変化や食育活動がどのように展開されているかなど、給食を通して社会的役割と責任を果たすきっかけとなる講習会を開催します。具体的にはアレルギーや障害を持つ喫食者の方や医療関係者及び教育委員会の方を講師に迎え、講習会を開催します。
12月に30名規模で、参加者は都内在住、在勤の給食事業従事者を公募します。給食は様々な制約条件(調理人数・食品・調味料・予算・時間・施設・設備など)の中で、喫食者の多様化、高度化する給食に対する欲求を満足させる必要があります。このため、衛生管理や調理技術はもとより、栄養、味覚に関する知識と新たな食材や調味料との出会いの場となり、副菜や付け合せ、盛り付けの工夫など、給食の新たな発見、創造のきっかけとなる給食事業従事者の質の向上に寄与する調理実習を実施します。
7月に20名規模で、参加者は都内在住、在勤の給食事業従事者を公募します。新設された給食施設や特徴に富み話題性のある給食関係施設等を見学し、施設・設備、調理導線、衛生や提供上の工夫点を確認するとともにこれまでの課題と改善点、ノウハウなどを公開していただき、新たな視点から改善を考える場を提供します。
開催、参加人数等は適宜。参加者は公募します。調理業務アシスタントとして就職を希望する55歳以上の方に対し、(公財)東京しごと財団と協働して、当協会会員のスタッフが衛生知識や調理業務の講習を行います。修了者には、ハローワークを通して、協会会員が求人し、会員会社への就職をあっせんします。
2月に30名規模で、参加者は55歳以上の方を対象に、東京都広報及び(公財)東京しごと財団が作成した募集チラシ(ハローワーク及び公共施設等で配布)で公募します。就業する調理師有資格者の現状を把握し、調理師の資質向上及び給食提供環境の向上に寄与することを目的に、調理師法は就業する調理師に2年に一度「調理師業務従事者届」の提出を義務付けています。(調理師法第5条)
当協会は東京都知事から「指定届出受理機関」の指定を受け、東京都内の特定給食施設で働く調理師有資格者から「調理師業務従事者届」を受理します。 3.災害時支援体制の推進事業 (定款第4条第1項五号)
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大震災等が発生しても、都民が安全・安心・信頼できる食を継続して喫食し、健康を保持できるよう、食材の備蓄が容易で、かつ、衛生的に優れ、施設・設備の整った学校給食施設を利用した炊出しを行うことを目的に、小中学校を所管する区市町村と会員との「非常災害時の炊出し協定」の締結を積極的に推進します。
- 非常災害時の炊出し協定(案)のホームページ掲載
- 会員と関係自治体との締結推進
4.食育に関する普及・啓発及び推進事業(定款第4条第1項二号)
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東京都食育推進協議会(東京都産業労働局所管)の一員として「東京都食育推進計画」の実現に協力、参加するとともに食育に関するこども料理教室や栄養士体験発表会を実施します。
また、食育や食の安全・安心に関する知識・情報を発信します。- 「こども料理教室」の開催
- 「栄養士体験発表会」の開催
- 「お話と試食の会」の開催
- 食を通じた健康づくりを支える情報の提供
こどもの成長過程に大きなウエイトを占める夏休みやクリスマスの時期に、一人一台の調理台やオーブンなどの最新設備を使い、こども達に調理体験を通して「食について考える」機会を提供します。
①「夏休みこどもチャレンジ!」の開催(学校法人後藤学園「武蔵野栄養専門学校」と共催)
小学生を対象にお菓子づくりを体験する「夏休みこどもチャレンジ!」を開催します。
7月に20名規模で、都内在住、在学の小学生を公募します。②「親子クリスマスケーキづくり」の開催(学校法人後藤学園「武蔵野栄養専門学校」と共催)
親子を対象に「親子クリスマスケーキづくり教室」を開催します。
12月に小学生と保護者20組規模で、都内在住、在学の小学生と保護者を公募します。集団給食の現場で働いている栄養士の食育活動等をテーマとして、発表者を公募と推薦により募集し、体験発表会を開催します。
10月に100名規模で、参加者は都内在住、在勤の管理栄養士及び栄養士を公募します。野菜たっぷりメニューや江戸東京野菜の提供など健康志向や地産地消などの話題に富むレストランにおいて、その取組み内容や調理上の工夫などのお話と提供されているランチなどを試食する「お話と試食の会」を実施します。
10月に30名規模で、参加者は都内在住、在勤の管理栄養士、栄養士及び調理師を公募します。給食提供事業者の役割の一つとして「食を通じた健康づくりと健康づくりを支える情報の提供」が求められています。このため、積極的に食育に関する情報提供に努めます。
①東京都食育フェアへの参加
11月に2日間開催される「東京都食育フェア」へ参加し、「野菜たっぷりヘルシーメニュー」レシピカードを都民に配布するとともに会員、賛助会員の食育活動の取組みを都民に紹介します。②ホームページの充実
食育に関する情報を様々な角度から協会ホームページなどで情報提供します。 5.都民の健康づくりに関する普及・啓発及び推進事業(定款第4条第1項一号)
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健康は人々が生き生きと幸せに暮らすための基本であり、給食そのものが人々の健康を支える重要な役割を担っています。給食の提供を基本に、都民の生涯を通じた健康の保持・増進を社会全体で支援し、健やかで心豊かな生活を実現するため東京都が改定した「東京都健康推進プラン21(第三次)」活動に積極的に協力・参加してまいります。
- 「野菜たっぷりヘルシーメニュー」レシピを協会のホームページに掲載するとともに「野菜たっぷりヘルシーメニュー」レシピカードを作成し、配布します。
- 公益に関する全ての実施事業を都民に開放して、協会会員、給食提供事業者に止まらず都民の方とともに事業を展開してまいります。このため、総務・研修委員会で「公益に関する実施事業の検証」を行い、真に都民の健康づくりに役立つ事業を実施してまいります。
6.優良社員表彰等事業(定款第4条第1項六号)
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社員に食の安全を守ることへの誇りと自覚を促す優良社員表彰事業と安全・安心で美味しい給食を安定的に提供する中核的人材を育成する講習会を実施します。
- 優良社員表彰
- 東京都優良調理師に対する知事賞の贈呈候補者の推薦
- 講習会等の開催
永年(5年以上)にわたり、会員企業の社員として、会社に寄与、貢献した者を「表彰規程」に基づき審査、決定し、優良社員として表彰します。
【日時】 令和6年11月1日(金)
【会場】 明治記念館過去において、「公益社団法人集団給食協会 優良社員表彰」を受賞した調理師の中から会員会社代表者の推薦に基づき、雇用対策委員会で贈呈候補者を決定し、理事会で承認を得て東京都保健医療局へ申請します。
給食は、安全対策においてあらゆる危害因子を完全に除去できないことやヒューマンエラーも起こるなどのリスクが常に存在することを前提にこれを未然に防止し、安全で安心して美味しい給食の安定的提供を確保する講習会等を実施します。
①管理監督者講習会
給食による事故の予防や発生時の適切な対応など、喫食者を事故から守る管理能力アップを図る講習会を実施します。
3回連続、延90名規模で、参加者は会員を対象とします。②総務・人事担当者講習会
安全・安心で美味しい給食を安定的に提供する責任からコンプライアンスの必要性と給食事業従事者の人材育成、適正な労務管理を図る講習会を実施します。
講習会は随時開催、参加者は会員の総務・人事管理担当者を対象とします。③リスク管理対策
リスク管理対策を講ずるため、「講習会」や「事例発表会」などを状況に応じて開催いたします。参加者は会員の危機管理担当者、衛生管理担当者等を対象とします。 7.給食業務の安全な受託に係る給食業務代行保証等事業(定款第4条第1項七号)
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保育園及び学校給食業務受託者が何らかの事情により受託業務を行えなくなった場合、保育園及び学校給食の公益性と社会的な影響を配慮し、「給食業務代行保証規程」に基づき、当協会が受託者に代わり、給食業務を代行して行い、保育園児及び児童・生徒の給食の継続性を担保します。
- 対象地域は東京都内
- 対象施設は保育園及び学校
8.より良い給食提供環境の醸成と組織整備事業(定款第4条第1項八号)
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より良い給食提供環境を創出するため、学校や関係機関及び関係団体との連携・協力をより深めてまいります。また、公益社団法人としての組織体制を整えるとともに協会業務を効率化してまいります。
- 学校や関係機関及び関係団体との連携・協力
- 教育課程編成委員会
- 委員派遣
- 選択必修科目「事業所給食講義・実習」
- 講師派遣
- 「夏休みこども料理教室」の開催
- 「親子クリスマスケーキづくり教室」の開催
- 協会ホームページでの食育に関する情報提供
- 「栄養士の卵たち MUSASHINO LIFE」
- 調理実習
- 東京都食育推進協議会
- 委員派遣
- 東京都食育フェアへの参加
- 食育推進活動の実施
- 「食中毒防止」懇談会の開催
- 東京都食生活改善普及運動実施協力
- 「東京都健康推進プラン21(第三次)」活動
- ノロウィルス保菌者検索事業
- 調理師業務従事者届(東京都)の受理
- 東京都立高等学校定時制(夜間)課程給食運営委員会
- 委員派遣
- 東京都立特別支援学校給食運営委員会
- 委員派遣
- 東京都立中高一貫教育校給食運営委員会
- 委員派遣
- 「より良い学校給食づくり」懇談会の開催
- 55歳以上の方のための就職支援講習「調理業務アシスタント」コース(協働事業)
- 講習会等の共同開催
- 令和7年度東京都予算要望
- 組織整備
- 各種研修の計画及び実施
- 東京都食育推進協議会への参画
- 学校法人後藤学園「武蔵野栄養専門学校」との連携・協力
- 関係団体及び関係機関との連携・協力
- 協会運営に関すること
- ホームページの運営に関すること
- その他、他の委員会に属さないこと
- 東京都保健医療局との懇談会の実施
- 食に起因する事故の未然防止に向けた各種取組み
- 災害時支援体制の推進
- 55歳以上の方のための就職支援講習「調理業務アシスタント」コースの協働事業
- 優良社員表彰
- 東京都優良調理師知事賞贈呈候補者の推薦
- 給食提供環境の改善
- 東京都教育庁との連携
- 東京都立学校給食運営委員会への参加
- 令和7年度東京都予算要望
- 会員各社学校給食担当者との懇談会の実施
- 給食業務代行保証制度
①学校法人後藤学園「武蔵野栄養専門学校」
・「職業実践専門課程」への協力
・公益事業の共催
・ホームページでの学校活動の紹介
②学校法人食糧学院学友会
③東京都食育推進協議会(東京都産業労働局所管)
④東京都保健医療局
⑤東京都教育委員会
⑥公益財団法人東京しごと財団
⑦公益社団法人日本給食サービス協会
⑧東京都議会自由民主党
⑨「フードシステムソリューション2024」共催
⑩「アグリ・ビジネス・ジャパン2024」共催
①総会・例会
総会 【日時】 令和6年 5月23日(木) 【会場】 軽井沢プリンスホテルウエスト 例会 【日時】 令和6年12月 5日(木) 【会場】 ホテルおかだ ②理事会
第1回 【日時】 令和6年 4月19日(金) 【会場】 エッサム神田ホール1号館3F大会議室 第2回 【日時】 令和6年 8月 2日(金) 【会場】 未定 第3回 【日時】 令和6年12月 5日(木) 【会場】 ホテルおかだ 第4回 【日時】 令和7年 3月14日(金) 【会場】 エッサム神田ホール ③各委員会
ア.総務・研修委員会イ.リスク管理委員会
ウ.雇用対策委員会
エ.学校給食等委員会
④会員名簿の発行の作成・配付(年1回)
⑤賛助会員との懇親交流会等
・懇親交流会第1回 【日時】 令和6年 5月23日(木) 【会場】 軽井沢プリンスホテルウエスト 第2回 【日時】 令和6年12月 5日(木) 【会場】 ホテルおかだ ・食材仕入担当者名簿の作成・配付(年1回)