2月というと「節分」ということで季節の節目、いよいよ春の始まりなのですが、今年の冬は特に寒い気がするのは私だけでしょうか・・・。
最近では珍しく、東京でも雪がちらつく日が多く、寒さが苦手な私は、正直この時期はつらいです・・そんな話はさておき、この時期に旬を迎える食材のおはなしと、今回もレシピをご紹介したいと思います。
2月に旬を迎える野菜は、水菜、菜の花、小松菜、かぶ、ブロッコリー、春菊、白菜、大根などなど・・・いくつかは鍋料理おなじみの食材ですね。これらの野菜のほとんどが通年スーパーなどで見かける野菜ですが鍋料理に入れるだけあって、本来はこの時期が旬なんです。さて、今回は大根と旬を迎えている魚の「ぶり」を使った、「鰤大根」のレシピを紹介しながら、調理する際のポイントのお話をしたいと思います。
まずは食材の話からさせてもらいますね。
大根・・・春の七草でいう「すずしろ」のことで、イメージ的には「和」の野菜のイメージが強い気がしますが、生食でサラダはもちろん、煮物や炒め物、おろしてソースや薬味的な役割にも使えたりと、工夫次第ではバリエーションに富んだ食材の一つといえるでしょう。栄養価では、葉の部分は緑黄色野菜扱いで、カルシウムやカリウム、カロテンを豊富に含みます。根の部分では、飛びぬけて多い栄養素はないにしてもジアスターゼというでんぷん分解酵素を多くふくみます。酵素は基本的にはタンパク質なので、加熱によって働きは失われますが、サラダや大根おろしなどの生で食した場合には、消化を助けたり、胃もたれなどを予防する効果が期待できます。なお、大根にも色々な種類があり、この時期が旬でないもの、辛味が強いもの、白ではなく表面が赤いものなど様々です。
鰤(ブリ)・・・成長するにしたがって名前が変わる出世魚なため、縁起を担いでお節料理やお祝い事にも良く使われます。関東では、ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリというように成長につれて呼び名が変ります。
さて、ブリに限らず煮魚を作る場合のポイントとして、霜降り作業をおすすめします。一般に煮汁が沸騰したところで魚を入れて煮始めますがその前に軽く塩を降り、さっと湯通しすることで臭みを取ることもでき、うまみの流出も防ぐことができます。
①・・・魚に軽く塩をふり3分程度放置しておきます。表面に臭みをもった水分が出てきます。
②・・・沸騰したお湯にさっとくぐらせます。
③・・・くぐらせた後は氷水にとって....
④・・・表面をふき取ってあげてください。
⑤・・・大根は皮をむき、2cm位の厚さの半月切りにします。大根は一度茹でこぼしておきましょう。米のとぎ汁を使っても良いです。
いつまで煮れば良い?ここで注意しなくてはいけないのが煮る時間です。長く煮ればそれだけ味がしみる? 食材によっては考えられますが、野菜などは煮崩れし、動物性の食材(肉)の場合は水分がでて硬くなります。特に魚介類の場合はすぐに硬くなるので、長時間の加熱は避けたほうが良いでしょう。
⑥・・・煮汁が沸騰したところに大根、ぶりを入れ煮ます。煮汁が多くなければ落しぶたをしましょう。
✽落し蓋をすることで、煮汁が少なくても材料に火が入り、煮くずれの防止にもなります。
⑦・・・10~15分程度煮たところで魚はいったん取り出します。仕上げのみりんを加え、大根を焦がさないように煮汁を煮詰めていきます。
⑧・・・長ねぎは白髪ねぎにして水にさらしておきます。皿に盛り付け、煮詰めた煮汁をかけ、白髪ねぎを上に飾って出来上がりです。