栄養士の卵たち ~MUSASHINO LIFE~

~ 高齢者の“食べる”を支える ~

読書の秋、スポーツの秋、そしてなんといっても食欲の秋!みなさまはいかがお過ごしでしょうか?
武蔵野栄養専門学校では前期試験が終了し、9月末より後期の授業が始まりました。
学生たちは栄養士になるために講義・演習・実習・実験とさまざまなことを学んでいますが、今回はその中で2年生前期に学ぶ「臨床栄養学実習」についてご紹介したいと思います。
「臨床栄養学実習」では様々な疾患や症状に合わせた栄養管理や食事について学びます。
また、病気の方だけでなく、高齢者にスポットを当てた食事についても学んでいます。
「栄養を補給する」という本来の目的はもちろん、食べる方の気持ちに寄り添い、味付け・盛り付け・彩りだけでなく、衛生面に気を配った食事作りを修得します。嚥下や咀嚼に問題がある場合には、調理方法にも工夫が必要です。
教員たちも、ここで身に付けた知識や経験が仕事や周囲の方の健康維持に生かされることを期待して指導しています。

嚥下調整食分類2013(日本摂食・嚥下リハビリテーション学会)に対応した食事づくりを行いました。

材料:1人分

卵を使用した料理

鶏卵Mサイズ
1個
植物油
3g
0.2g
サラダ菜
5g

野菜を使用した料理

カリフラワー
30g
にんじん
20g
ブロッコリー
30g
マヨネーズ
5g

野菜を使用した料理

かぼちゃ
60g
いんげん
20g
うすくちしょうゆ
5g
みりん
2g
50g
だし用かつお節
0.5g

野菜を使用した料理

じゃがいも
80g
たまねぎ
10g
ピーマン
30g
0.6g
植物油
2g
1
  • レシピ1-1
  • ①まずは今回の対象となる高齢者の方々を思い浮かべながら、班員全員で話し合いをし、実習を開始します。
2
  • ②今回は、嚥下調整食分類2013の中から下記の4つの段階について取り上げ、調理をしました。
  • ◆嚥下調整食4:形があり、かたすぎず、ばらけにくく、貼りつきにくいもの。箸で切れるやわらかさ。
  • ◆嚥下調整食3:形はあるが、歯や入れ歯がなくとも口腔内で押しつぶし、食塊形成が容易なもの。
  • ◆嚥下調整食2-2:やわらかい粒等を含む不均質なもの。
  • ◆嚥下調整食2-1:均質でなめらかなもの(あまりさらさらしすぎないこと)
3
  • レシピ3-1
  • レシピ3-2
  • レシピ3-3
  • ③それぞれの段階に合わせて切り方や加熱方法を考えて進めていきます。
  • ④卵を“舌で押しつぶせる硬さ”にほぐしながら加熱します。(嚥下調整食3に相当)
  • ⑤かぼちゃは硬い皮を取り、いんげんは下ゆでした後に煮ます。この後、各段階へと展開します。
  • ⑥衛生面に気をつけて丁寧に作業を行います。
4
  • 手順4-1
  • ⑦出来上がった料理を提出し、自分の班で作ったものと他の班が作ったものについてそれぞれ見た目や味付け、加熱の具合や食感を確認して記録をとります。
    今回は高齢者の食事を取り上げましたが、他にもエネルギーコントロール食、たんぱく質コントロール食、脂質コントロール食などを学んでいます。また次の機会にご紹介させていただきます!

完成

栄養成分

<卵を使用した料理 ①②>
エネルギー
104kcal
たんぱく質
6.2g
脂質
8.2g
炭水化物
0.3g
食塩相当量
0.4g
<野菜を使用した料理 ③④>
エネルギー
61kcal
たんぱく質
2.4g
脂質
4.1g
炭水化物
5.2g
食塩相当量
0.1g
<野菜を使用した料理 ⑤⑥>
エネルギー
67kcal
たんぱく質
1.8g
脂質
0.2g
炭水化物
14.6g
食塩相当量
0.8g
<野菜を使用した料理 ⑦⑧>
エネルギー
90kcal
たんぱく質
1.7g
脂質
2.1g
炭水化物
16.5g
食塩相当量
0.6g
完成品

この日のメニューは本校のInstagramにも載っておりますので
ぜひご覧ください!!

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