見出し用画像季節の話題

今年の夏は今ひとつパッとしない天気が多い気がします。なにやらエルニーニョの影響らしいですが…さて、夏場が旬な食材をいくつか紹介します。

冬瓜の画像冬瓜・・・夏場が旬なのに何故「冬」の瓜?保存性が良く、冬場まで持つからだとか。

カリウムを多く含むため、高血圧予防にも良いでしょう。ビタミンCも多いため、体力が弱まる夏場には適していますね。夏場は特に、冷製スープの具などにしてさっぱりと食べてみてはいかがでしょう。

ぶどうの画像ぶどう・・・ぶどうといっても品種は様々、しかし一部を除いては夏場から夏前後に旬を迎えるものが多いです。

「ブドウ糖」なんて言葉があるように、ブドウ糖や果糖を多く含みます。糖は吸収がよく、すぐにエネルギーとして消費されやすいために、疲労時には効果的です。しかし、消費しきれない糖質は身体に蓄えられてしまいますからご注意を…。

桃の画像桃・・・桃にも種類がありますが、ぶどう同様夏場付近に旬を迎えるものが多い。

果糖が多く、カリウムも豊富。夏バテの原因にビタミンB1不足が上がりがちですが、このカリウムの不足も要因のひとつと考えられます。

さてさて、「味覚」というものは、塩味、甘味、苦味、うま味、酸味とありますが、本来「ヒト」の体温36度前後が最も感じやすい温度帯なんです。しかし果物は冷やしたほうが甘く感じませんか?果物には「果糖」と呼ばれる糖が含まれていることが多く、この果糖はブドウ糖よりも甘味が強く、冷やすことでより甘味を強く感じる糖なんです。

武蔵野栄養専門学校 管理栄養士 宮屋敷忠信

見出し用画像「うま味」について

「うま味」ということばは皆さん聞いたことはありますよね。この「うま味」とは日本人が世界に定着させた言葉なんですよ。もともと味には塩味、甘味、酸味、苦味の四原味があり、うま味を「味」とする考えは少なかったのだが、一つの「味」として考えた方が適当だろうということで、うま味を加えて5味ともしています。その他、渋味、辛味もあげられるが、ともに物理的な味として扱われている為、味覚とは異なる考え方の方が定着しています。


さて、最近ではかつお風味だしとか、昆布風だしなど、いわゆる人工的に作った、化学調味料を使っているのがほとんどではないでしょうか。確かに、手軽で廃棄物も少ないし、日常で舌が慣れているため違和感なく使っていますが、ほとんどのメーカーの粉末だしには、塩分が含まれています。


出汁(うま味)の存在が、塩味を引き立てるため、減塩にもつながります。今回はそんな調味料ではなく、本来のうま味(だし)の話をしますね。


日本のうま味の代表といえば、かつお節、煮干、昆布、しいたけですね。その他貝類もありますが、やはり海に囲まれているため、海産物が多いですね。


それぞれうま味成分が異なり、

うま味成分表の画像

出汁のとり方と使用量(目安)

一般的な分量を紹介しますね。

かつおだし、煮干………水に対して2~5% 例)水1リットルなら20~50グラム

かつおだし

1番だし……お湯を沸かします。沸騰したら火を止めてかつお節を散らしながら入れます。しばらくしてかつお節が沈んできたら、静かに裏漉します。主にお吸い物や茶碗蒸しなどに使用します。

2番だし……最初の半分量の水に、取り出したかつお節をいれ、少し煮て抽出します。煮物や、味噌汁などで利用します。

煮干だし

煮干の画像煮干の画像(1)頭を取ります。

煮干の画像(2)背中側から半分に割ります。

煮干の画像(3)内蔵を取ります。

(4)頭と内蔵を取った煮干を水に30分程度浸しておき、火を点け沸騰後3分程度経ったら裏ごしする。その際ぐらぐら煮立てないように注意してください。主に煮物や味噌汁に利用します。

ポイント!:
一般的に水に対して2~5%と言われていますが、6時間から12時間浸す時間があれば1%程度の量でも出汁が取れます。使用量も減るし、ゴミも減りますね。翌朝の朝食の味噌汁用なら前日の夜に仕込んでおけば、朝食の味噌汁に美味しい出汁で味噌汁が作れますね。

昆布出汁

(水に対して2~5%)

(1)昆布の表面が粉をふいているように、白っぽくなっていたらふき取ります。

(2)昆布の側面にいくつか切り込みを入れて、水に入れます。

(3)しばらく水に浸しておき(1時間くらい)、火を点けます。

(4)鍋底に細かい気泡ができ始め、沸騰直前に火を止め、昆布を取り出します。

合わせだし

昆布を取り出し、さらに加熱を続け沸騰して火を止め、ここでかつお節をふり入れ、取った出汁を合わせだしと呼び、昆布のだしとかつおの双方が相乗効果と呼ばれる現象で、よりうまみが強まった出汁になります。

しいたけ

干し椎茸を戻したときの戻し汁に抽出されている。干し椎茸を使用する料理に利用する場合が多い。

貝類

使う分量を水から加熱していき、沸騰後火を弱め、白っぽい泡(アク)をすくう。そのまま調理に利用することが多い。

武蔵野栄養専門学校 管理栄養士 宮屋敷忠信

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