~ やっぱりコシが命 ~
ようやく秋めいた過ごしやすい季節になってきましたね。気温が低くなって温かいものがよりおいしくなる時期です。
こんなときには、温かいつゆでいただくうどんはいかがでしょう?
今回お届けするのは1年生の後期に行う「食品加工学実習」です。こちらの実習では、私たちの食生活には身近な存在である、加工食品の製造理論や製造工程について学びます。
中でも小麦粉製品はパン、ラーメンなど様々な実習がありますが、うどん作りの実習を紹介します。
うどんは「コシが命」といわれます。なめらかな食感や、かみ応えのある弾力はうどんの特徴とも言えますが、うどんの「コシ」=麺の硬さというわけではありません。
では、このうどんの「コシ」はどのようにして生まれるのでしょうか?うどんを作る材料は小麦粉(中力粉)と食塩と水のみ。とてもシンプルです。
この材料を合わせて生地を練っていくと小麦粉に含まれるたんぱく質がグルテンという粘弾性のある網目状の構造をもつ物質になり、「コシ」を作っていきます。
要するに「コシ」=「弾力」という訳です。学生たちはこの「コシ」のあるうどんを作る工程を一つひとつ確認しながら実習を進めていきます。
うどん
材料:5人分(作りやすい分量)
- 中力粉
- 400g
- 湯(粉の重量の40%)
- 160g
- ★季節によって粉の温度は変わるため、夏場は冷水、冬場はぬるま湯など調整を行う。
- 食塩(粉の重量の3%)
- 12g
- 打ち粉(でんぷん)
- 適量
つゆ
- だし汁
- 1ℓ
- 塩
- 7.5g
- しょうゆ
- 35g
- みりん
- 50g
具材・一例
- 乾燥わかめ
- 5g
- 小ねぎ
- 10g
- きざみ揚げ・市販品
- 10g
-
1
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混合・混捏
- ①中力粉はストレーナーでふるい、ボールに入れる。
- ②食塩水(湯に食塩を溶かしておく)を中力粉に加え、よく混ぜる。
- ③生地(ドウ)がまとまったら、台に出してしっかりとよくこねる(20分)。
- ★うどんのコシは、小麦粉に含まれているたんぱく質が関係しています。
たんぱく質のグルテニンとグリアジンという成分が結合して、弾力と粘り気のあるグルテンを形成することによってうどんのコシができます。
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2
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熟成
- ④生地(ドウ)が形成された後、乾燥防止のために濡れた和布巾(しっかりと絞る)をかけて、熟成する(30~40分)。
- ★生地をねかせることで、形成されたグルテンが緩和され伸ばしやすくなります。
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3
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圧延
- ⑤麺棒を使用し、打ち粉を振りながら、厚さ1㎝位に伸ばす。
さらに製麺機で3~4㎜まで伸ばす。
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4
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麺切り
- ⑥製麺機で適当な太さ(今回は3~4㎜)に切る。
もしくは包丁で同様に切る。 - ⑦機械で切った麺の仕上がり。
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5
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ゆで上げ
- ⑧大きめの鍋にたっぷりの湯を沸かす(しっかり沸騰させる)。
麺についた打ち粉はしっかりはらい落とし、ほぐしながら静かに湯の中に入れ、再び沸騰したら、ふきこぼれない程度に火を弱め、ゆで上げる。 - ★うどんを水と一緒に加熱すると、小麦粉のでんぷんが軟らかくなり(でんぷんの糊化といいます)もちもちした粘りがでます。
また、小麦粉のたんぱく質のグルテンは、加熱により熱変性で硬くなるため、うどんのコシとして残ります。
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6
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水洗い
- ⑨流水で洗いぬめりをとる。
水気をきり、盛り付けをしたら出来上がり!
完成
栄養成分
- エネルギー
- 311kcal
- たんぱく質
- 8.0g
- 脂質
- 1.7g
- 炭水化物
- 62.5g
- 食塩相当量
- 2.7g
- 食塩相当量について
生地作りには粉に対して3%の食塩を加えて作りますが、麺の塩分はゆでるときに8割程度がお湯の中に流出します。
また、つゆは8割を残すものとして計算しています。
この他にも本校のInstagramにも載っておりますので
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